関税ではなく、品質・柔軟性・リスク分散が理由です。日本ブランドがトルコをニット製造の第2拠点として選ぶ現実的な理由を解説します。
「中国+1」とは、中国での生産を完全にやめるのではなく、第2の調達先を確保することでリスクを分散する戦略です。米国ブランドにとっては関税問題が主な動機ですが、日本ブランドの場合は事情が異なります。日本はRCEP加盟国であり、中国からのニット輸入に大きな関税上の障壁はありません。それでもトルコを検討する理由は、関税ではなく品質・納期・柔軟性にあります。
一国依存は、地政学的緊張・港湾混雑・感染症対応などで一瞬にして供給が止まるリスクを抱えます。第2拠点は「保険」ではなく「事業継続計画」です。
中国大手工場は大ロット・標準仕様が得意です。トルコの横編み工場は250枚からの少量・高仕様対応を強みとし、日本向け細かい品質要求にも応えやすい体制です。
日本の大手アパレルは欧州基準に合わせたサプライチェーン透明性を求め始めています。非新疆産コットン・OEKO-TEX認証素材の調達はトルコの強みです。
国内ニット(島精機WHOLEGARMENT)は高コスト。トルコの横編みはそれと同じ設備を持ちながら、大量生産ラインを補完できます。競合ではなく分業関係です。
中国は超大量ロット・低コット基礎アイテム・現地原材料調達で依然として優位です。RCEPにより日本から輸入する際の関税負担も低い。トルコが向いているのは「中量ロット・設計主導・品質優先・柔軟仕様変更が必要なニット」です。どちらを使うかは品目とブランド戦略次第で、二択ではなく役割分担です。
ガジアンテップには島精機MACH2XS/WHOLEGARMENT・ストールCMSを保有する工場が集積。Made in Japanと同じ設備で生産が可能です。
テスト発注・限定コレクションに適した小ロット対応。中国の大規模工場では困難な少量多品種を受け付けます。
EU・UK市場向け輸出実績があるため、OEKO-TEX・GOTSなどの認証対応・試験報告書の提供に慣れています。
シーズン直前のカラー・仕様変更に対応しやすい中規模工場が多い。中国大量生産ラインでは難しい修正を受け付ける場合があります。